製造業を中心としたBtoB企業にとって、展示会は新規顧客獲得の重要な機会です。しかし、多くの企業では名刺を集めるだけで終わり、その後の商談につながらないケースが少なくありません。
展示会で獲得した見込み客を効果的に商談へと導くには、デジタル技術を活用した営業プロセスの再構築が必要です。つまり、「展示会×営業DX」の実現が求められているのです。
本記事では、展示会と営業活動のデジタル化によって成果を上げるための具体的な戦略と、実際の成功事例をご紹介します。名刺獲得だけで終わらせない、真の成果を生み出す展示会活用法を探っていきましょう。
【目次】
展示会営業の課題とデジタル化の必要性
展示会出展の主な目的は新規顧客の獲得です。しかし、多くの企業では次のような課題を抱えています。

既存顧客ばかりがブースに訪れ、新規顧客との接点が少ない。セミナーを開催しても商談につながらない。時間だけが過ぎていく。そして最も多いのが、名刺を獲得して積み上げるだけで終わってしまうケースです。
これらの課題を解決するには、展示会での営業活動をデジタル化し、効率的な新規顧客獲得の仕組みを構築する必要があります。
展示会は単なる名刺集めの場ではなく、ビジネスの成長機会を創出する戦略的な接点です
特に2025年現在、コロナ禍を経てビジネスのあり方や働き方が大きく変化し、BtoB営業においてもデジタルシフトが急速に進んでいます。従来の対面による営業スタイルからデジタルへのシフトは必須となり、営業DXの推進は急務となっています。
展示会と営業活動のデジタル化(DX)とは、単にデジタルツールを導入するだけではありません。デジタルチャネルやデジタルツールを活用して、営業プロセスを再構築し、営業戦略や組織の体制を変えていくことです。
なぜ今、展示会×営業DXが必要なのか
法人営業(BtoB営業)には、以下のような特徴があります。
- 単価が高い
- 後払いが多い
- 決済までの時間が長い
- 関わる人数が多い
こうした特性から、BtoB営業には独自の課題が生じます。顧客接点が少なく、担当エリアが広く、臨機応変な対応が求められ、事務作業も多いのです。
さらに、コロナ禍以降、対面営業がしづらくなり、取引先へのアプローチが難しくなりました。このような状況下で、展示会という貴重な対面機会を最大限に活用し、その後のフォローをデジタル技術で効率化する「展示会×営業DX」の重要性が高まっているのです。

多くの企業では、展示会で獲得した名刺の活用が不十分です。せっかく興味を持ってくれた見込み客を取りこぼしているのです。
どうすれば、この状況を改善できるのでしょうか?
展示会×営業DXの成功戦略
展示会と営業活動のデジタル化を成功させるには、戦略的なアプローチが必要です。ここでは、具体的な成功戦略をご紹介します。
1. 展示会前の準備:デジタルを活用した集客強化
展示会の成功は、事前の準備にかかっています。デジタル技術を活用して、効果的な集客を行いましょう。
- 展示会専用のランディングページ作成
- ターゲット顧客へのメール配信
- SNSを活用した情報発信
- オンライン広告の出稿
- 事前アポイントの獲得
特に、AIマッチング技術を活用した事前アポイント獲得は効果的です。自社製品・サービスに興味がありそうな見込み客に対して、事前にアポイントを取ることで、展示会当日の商談効率が大幅に向上します。
実際に、イプロスが主催する「AI/DX 営業・マーケティング展」では、183万人の行動をもとにAIが抽出した興味度の高い見込み客に対して、事前アポイント申し込みを促進するサービスを提供しています。
2. 展示会中:デジタルツールを活用した名刺管理と情報収集
展示会当日は、デジタルツールを活用して名刺管理と情報収集を効率化しましょう。

クラウド型の名刺管理ツールを使えば、収集した名刺をその場でデータ化し、チーム内で共有できます。また、来場者の関心事項や商談の可能性をその場で記録することで、後のフォローアップが格段に効率化されます。
DIXIが提供する「展示会×営業DX支援パッケージ」では、独自のクラウドツールによって名刺を管理し、データとして共有するサービスを提供しています。これにより、展示会後のフォローアップが効率的に行えるようになります。
さらに、展示会場でのプレゼンテーションや商品デモの様子を動画で撮影し、展示会サイトやYouTubeにアップロードすることで、来場できなかった見込み客へのアプローチも可能になります。
3. 展示会後:デジタルマーケティングによる継続的なフォロー
展示会後のフォローこそ、成果を左右する重要なポイントです。デジタルマーケティングを活用して、継続的なフォローを行いましょう。
- メールマーケティングによる情報提供
- ウェビナーの開催
- コンテンツマーケティングの展開
- インサイドセールスによるフォローコール
- MA(マーケティングオートメーション)の活用
特に、展示会で獲得した名刺に対するフォローアップコールは非常に重要です。会期終了後、獲得した名刺の方々にフォローアップコールを行い、商談機会を創出します。
DIXIの「展示会×営業DX支援パッケージ」では、展示会後のフォローアップコールを代行するサービスも提供しています。これにより、展示会期間終了後も商談獲得が可能になります。
あなたの会社では、展示会後のフォローをどのように行っていますか?
展示会×営業DXの成功事例
実際に展示会と営業活動のデジタル化によって成果を上げた企業の事例をご紹介します。
事例1:株式会社東洋新薬 – 目標達成率410%の名刺獲得
機能性表示食品や健康食品、化粧品・医薬部外品の企画提案、製造受託および原料・素材の研究・開発を行う株式会社東洋新薬は、DIXIの「展示会×営業DX支援パッケージ」を導入し、大きな成果を上げました。

コロナ禍の中でも展示会に出展して新しい見込み先との接点を作りたいという社内要望を受けて、DIXIの支援を導入しました。これまでの展示会では、社内スタッフのみが対応していましたが、社内スタッフは既存のお取引先との商談もあるため、新規見込み先との接点づくりと既存取引先のフォローの両立が課題でした。
DIXIの支援導入後、目標を大きく上回る新しい見込み先との接点ができました。コロナ禍の展示会でしたが、名刺の獲得数は同社が過去出展した展示会の中で過去最多となりました。また、オンライン商談という新しい方法も確立でき、展示会におけるトークスクリプトも作成してもらえたそうです。
東洋新薬のマーケティング室の担当者は次のように語っています。
営業プロセスを今まで外部に支援してもらったことはありませんでした。コロナ禍がなければこの発想もなかったかもしれません。OEMというプロダクトが見えづらいものでもあるので、展示会で新規見込み先の獲得がどれくらいできるのか、正直、少し不安はありました。しかし、予想を大きく上回る結果でしたので、大変感謝しております。
事例2:プライズ株式会社 – 商談化率が3倍に向上
テレワーク時代のリアルタイム情報共有ツール「flouu」の開発・販売を行うプライズ株式会社も、DIXIの「展示会×営業DX支援パッケージ」を導入し、大きな成果を上げました。
テック系のスタートアップのため、プロダクトの開発に時間を割きつつ、検証も必要な段階で、自社で営業を抱えるよりもプロに任せてリードを獲得したほうが、現在のフェーズになじむと考えて導入を決めたそうです。
2年前の出展時は自社で全て対応し、アルバイトを雇い、チラシを配り、自分達でフォローコールも実施していました。結果、フォローコールの時間が確保できなかったり、電話でのコミュニケーション技術の不足によりリードからの商談化数も満足のいくものではありませんでした。
DIXIの支援導入後は、1回の出展ごとに何十件と商談化できるようになりました。また、営業事務側と連携し、半自動で商談が入ってくる体制を作れたことで、代表自身が商談に集中できる状況を作れたことが大きな成果だったと語っています。
展示会×営業DXの導入により、商談化率が3倍に向上したのです。
展示会×営業DXの導入ステップ
展示会と営業活動のデジタル化を導入するには、以下のステップを踏むことをおすすめします。
ステップ1:現状の課題分析と目標設定
まずは、現状の展示会営業における課題を明確にし、目標を設定しましょう。
- これまでの展示会での成果は?
- 名刺獲得数と商談化率は?
- 既存顧客と新規顧客の比率は?
- 展示会後のフォロー体制は?
- デジタル化によって達成したい目標は?
目標設定においては、KPI(重要業績評価指標)を明確にすることが重要です。例えば、名刺獲得数、商談化率、受注率、ROI(投資対効果)などを設定しましょう。

ステップ2:適切なデジタルツールの選定
目標達成に必要なデジタルツールを選定します。
- 名刺管理ツール
- CRM(顧客関係管理)システム
- MA(マーケティングオートメーション)ツール
- SFA(営業支援)システム
- ウェビナー開催ツール
- 分析・レポーティングツール
ツール選定の際は、既存システムとの連携性や使いやすさ、コストパフォーマンスなどを考慮しましょう。また、単にツールを導入するだけでなく、営業プロセス全体を見直し、最適化することが重要です。
ステップ3:チーム体制の構築と教育
展示会×営業DXを成功させるには、適切なチーム体制の構築と教育が不可欠です。
- 展示会担当チーム
- インサイドセールスチーム
- フィールドセールスチーム
- マーケティングチーム
- データ分析チーム
各チームの役割と責任を明確にし、連携体制を構築します。また、デジタルツールの使い方や新しい営業プロセスについての教育も重要です。
DIXIの「展示会×営業DX支援パッケージ」では、企業とDIXIがそれぞれの得意領域を活かした役割分担で展示会場での営業効率を最大化します。
ステップ4:実行とPDCAサイクルの確立
計画を実行し、結果を測定・分析して、継続的に改善するPDCAサイクルを確立しましょう。
- Plan(計画):展示会ごとの目標と戦略を設定
- Do(実行):計画に基づいて展示会に出展し、フォローを実施
- Check(評価):結果をKPIに基づいて評価
- Act(改善):評価結果に基づいて次回の戦略を改善
PDCAサイクルを回すことで、展示会×営業DXの効果を最大化し、継続的な成果を上げることができます。
展示会×営業DXの導入は、一朝一夕にはいきません。しかし、適切なステップを踏んで進めることで、確実に成果を上げることができるのです。
展示会×営業DXの費用対効果
展示会×営業DXの導入にはコストがかかりますが、その効果は大きなものとなります。ここでは、具体的な費用と効果について見ていきましょう。
導入コスト
DIXIの「展示会×営業DX支援パッケージ」の場合、以下のような費用が発生します。
- ブース代行費:初期費用100,000円/回、営業担当活動費50,000円/日
- フォローアップコール費:初期費用200,000円/回(ブース代行と同時申し込みで全額割引)、月額運営費100,000円/月
- アポイント獲得報酬額:10,000円〜/件(アポイント条件により変動)
- 名刺データ化単価:100円/枚
これらの費用に加えて、自社で導入するデジタルツールのコストも考慮する必要があります。
期待できる効果
展示会×営業DXの導入によって、以下のような効果が期待できます。

- 名刺獲得数の増加:東洋新薬の事例では、目標達成率410%を記録
- 商談化率の向上:プライズ株式会社の事例では、商談化率が3倍に向上
- 営業担当者の工数削減:商談に集中できる環境の構築
- 新規顧客獲得の効率化:効果的なフォローアップによる商談機会の創出
- 展示会投資のROI向上:展示会出展費用に対する売上の増加
これらの効果を金額に換算すると、導入コストを大きく上回るリターンが期待できます。
例えば、1件の商談が成約に至った場合の売上が500万円だとすると、商談化率が3倍になることで、展示会からの売上も3倍になる可能性があります。展示会出展費用が200万円だとしても、ROIは大幅に向上するでしょう。
展示会×営業DXの導入は、短期的にはコストがかかりますが、中長期的には大きなリターンをもたらす投資と言えるのです。
まとめ:展示会×営業DXで成果を最大化する
展示会は新規顧客獲得の貴重な機会ですが、多くの企業では名刺獲得や一次商談で終わってしまい、その機会を十分に活かせていません。
展示会×営業DXの導入により、展示会前の集客、名刺獲得から一次商談、顧客管理、展示会後の顧客育成までを一括して対応することで、展示会の成果を最大化することができます。
本記事でご紹介した成功事例のように、展示会×営業DXの導入によって、名刺獲得数の増加や商談化率の向上など、具体的な成果を上げることが可能です。
展示会×営業DXの導入は、以下のステップで進めることをおすすめします。
- 現状の課題分析と目標設定
- 適切なデジタルツールの選定
- チーム体制の構築と教育
- 実行とPDCAサイクルの確立
展示会×営業DXの導入には初期コストがかかりますが、中長期的には大きなリターンをもたらす投資です。名刺獲得で終わらせず、確度の高い商談機会を創出することで、展示会投資の効果を最大化しましょう。
あなたの会社の展示会営業は、デジタル化によってどのように変わる可能性があるでしょうか?
展示会×営業DXの導入を検討されている方は、ぜひ専門家のサポートを受けることをおすすめします。
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